「ものを食べたあとは、かならず歯をみがいていたのに、ムシ歯ができました。歯みがき剤の選び方が悪かったのでしょうか」 という質問をよく受けます。なるほど、薬局やスーパーへ行くとさまざまなタイプの歯みがき剤がならんでいます。あまりにも種類が多すぎて、どれが自分に合い、ムシ歯を防いでくれるものかと迷うのも当然です。しかし、ムシ歯予防のために歯みがき剤の選択に気を使うのは、残念ながらナンセンスです。むしろ、歯の磨き方の方が大事だということを忘れてはなりません。磨けていない、食べかす(歯垢)がべっとりついた歯には歯みがき剤に含まれるムシ歯を防ぐ成分は届かず、口がさわやかになるとか、口臭を消すという程度の効果しか期待できません。ですから、歯みがき剤をすすめるコマーシャルにのせられて、歯みがき剤を過信しすぎるのは危険といわざるをえません。歯みがき剤を使っているからムシ歯にならないと安心して、歯のために本当に気をつけなければならないことを見過ごしてしまうからです。